猫背

猫背は背中が丸まり、頭が前に突き出て猫の背中の様に丸くなった状態。
医学的には、脊柱(背骨)の配列が正常ではなく異常に曲がった状態で脊柱後弯症や円背といいます。

 

背骨の構造

背骨が連なった脊柱は正面と背面から見るとほぼまっすぐで横から見るとカーブしており、このカーブを生理的弯曲という。
頚椎が前弯して前方に出た形、胸椎が後弯して後方に出た形、腰椎が前弯して前方に出た形であり、この弯曲によってしなやかなバネの様な感じで上体を前に倒したり体を起こす事が出来ています。
胸椎では後弯角度が大きくなり後弯が強くなり、頚椎と腰椎の前弯角度が小さくなり前弯が緩やかになると猫背の状態になります。

 

猫背の問題点

老けて見える

背中が丸くなることで見た目が老いた印象に見えたり、自分の姿勢に劣等感を感じる。

 

動きが衰える

歩幅が狭く歩くのが遅くなり、長く歩けなくなる。
上に手が届かなくなるため、物をとったり洗濯物を干すのが不便になる。
姿勢が悪くなることで疲れやすくなる。
バランスが悪く転ぶ危険性が増す。
これらにより、行動範囲が狭くなり外出機会が減り社会との関わりが少なくなる。
高齢者の場合は認知症やうつ病などのリスクが高くなります。

 

体の痛みの原因になる

腰痛、坐骨神経痛、股関節痛、膝関節痛、肩こり、四十肩・五十肩などの原因となります。

 

猫背になると、上半身は肩甲骨が前に倒れ下向きに傾き、頭が前に移動する事で肩甲骨や肩関節の動きを邪魔します。
下半身は骨盤が後ろに倒れがに股、膝が曲がりO脚になるという変化が起きます。
姿勢が崩れる事で関節の動きが阻害され安定性が落ちると負担がかかり、痛みの原因となります。

 

内臓の不調を引き起こす

逆流性食道炎、胸やけ、食欲減退、便秘、息が切れしやすくなるなどの不調の原因にもなります。
猫背になると、胃腸を圧迫することで胃酸が逆流したり胃腸の働きが悪くなる。
気道や肺を圧迫すると肺活量が少なくなることで心肺機能が低下します。

 

猫背の原因

筋力低下や姿勢の意識低下

脊柱を支える体幹部分の筋力低下やパソコンやスマホの使い過ぎなどの生活習慣により、悪い姿勢がクセになり猫背となる。
比較的、若年者に多く脊柱の柔軟性に問題が少なく、意識をすれば背筋を伸ばせる事が多い。

 

脊椎後弯症・側弯症

背骨の胸椎・腰椎が後方に弯曲し骨盤が後ろに倒れ、腰背中が丸くなった状態が後弯症。
脊椎圧迫骨折などを経て発症する事が多く、骨折後に骨が潰れて固まってしまい猫背状態になってしまう。
背骨が左右に湾曲した状態で肩甲骨や腰の高さが左右で異なり、肩甲骨の突出、胸郭の変形がみられるのが側弯症。
小児期の女の子に多く、原因不明の突発性側弯症が70%ほどでその他に先天性側弯症や病気による症候性側弯症があります。
子どもの頃から側弯症があって進行したり、40〜50代を過ぎて加齢により背骨の椎間板(軟骨)が潰れる事で背骨が変形し猫背を生じる。

 

圧迫骨折など外傷

転倒などで圧迫骨折が起こると背骨が潰れ変形し猫背をきたす。
高齢化に伴い、骨粗鬆症をベースとした圧迫骨折が増加しているため高齢者に多い。
また、前かがみの生活習慣や後弯症により猫背になると背骨が潰れる方向に上半身の重さが加わるため、「いつの間にか骨折」といって転倒などのきかっけがなく自然と圧迫骨折が起こる事もあります。

 

パーキンソン病

体を動かすために必要なドーパミンという物質が少なくなると、体の動きが悪くなったり、ふるえ、猫背がみられます。
この様な症状は高齢者にもみられますが、単なる老化や衰えではなく、パーキンソン病という病気により起こる事があります。

 

一般的な整形外科での猫背治療

年齢によって骨粗鬆症が疑われる場合は、骨密度や骨代謝マーカーを測定し服薬、食事などの生活指導がされます。
猫背による腰痛があれば、痛み止めの薬や湿布、コルセットが処方されます。
脊柱の変形が強く内臓への負担や生活を考慮し脊柱を真っすぐにする手術を行っている病院もありますが、大学病院や脊椎専門病院など限られた施設のみとなります。
本来、リハビリで姿勢の指導や腹筋・背筋などの運動やストレッチを行った方が良いのですが、現在行っている整形リハビリ施設は少ないのが課題でもあります。

 

当院での治療の流れ

まずは、お体のチェック

姿勢のタイプをチェック

脊柱と骨盤の変位、頭の位置から姿勢のタイプを確認し、現在の姿勢と正しい姿勢の違いを認識して頂きます。

 

スウェイバック

胸椎後弯が強く、骨盤が後傾しやすいタイプ

カイホロードシス

胸椎後弯が強く、骨盤が前傾しやすいタイプ

フラットバック

脊柱弯曲が減少し、骨盤が後傾しやすいタイプ

 

タイプによって、脊柱と骨盤の肢位が異なります。
共通点としてはどのタイプも頭が前方に変位して膝が曲がった姿勢になります。

 

脊柱と骨盤の柔軟性チェック

脊柱、骨盤、股関節、膝関節、胸郭、肩甲骨、肩関節の柔軟性をチェックします。

 

柔軟性の改善

脊柱、骨盤、股関節、膝関節、胸郭、肩甲骨、肩関節のパーソナルストレッチで柔軟性を改善していきます。

 

姿勢改善

姿勢のタイプやクセを知り、脊柱、骨盤、胸郭を中心にニュートラルな姿勢を身につけます。

 

ニュートラルな姿勢とは?

ニュートラルな姿勢は特に力を入れなくても姿勢が崩れることなく、関節の負担も最小限になる状態でこれが正しい姿勢となります。
左右前後に傾いていない状態で脊柱はS字の綺麗な弯曲をしています。
このS字の弯曲が作れると、体を支える力が高まり安定する。バランスを感知する能力が高まる。というメリットがあります

 

インナー強化で腹圧を高める

横隔膜、骨盤底筋、腹横筋、多裂筋といった体の深部筋を強化します。

 

アウター強化で弱い部分の補強

腸腰筋、大殿筋、大腿四頭筋、脊柱起立筋、腰方形筋といった浅層筋を強化します。

 

まとめ

高齢化にともない、後弯症の患者さんは今後も増えていく事が予想されます。
また、若い人でもスマホやパソコンなどの生活習慣により猫背が起こりますので、日頃から運動習慣をみにつけて、筋肉を落とさない事が大切です

 

基本的に人間の生活は背中を丸める事が圧倒的に多い為、普段から姿勢を意識し気をつけていく事が一番の予防になります。
是非、姿勢を意識して生活しましょう。
当院では、そのための治療と指導を行っていきますので、猫背でお困りの方はご相談ください。

 

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