痛みと筋膜整体

現在、痛みについては世界中で様々な研究がされています。

 

そんな中、ここ数年の研究でわかってきた事があり日本人に特に多い腰痛ですが、そのうち原因のわかる腰痛は20%程であり、残りの80%は医学的な原因が不明ではっきりとした診断がつかない腰痛である事がわかってきました。
原因のわかる腰痛とは、レントゲンやMRI・CTなどの検査で骨・神経・関節にはっきりとした問題がある物で、腰椎骨折、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間関節症といった診断名がつきます。
この様な、診断がつく腰痛がたったの20%程なのです。
その他80%の腰痛は検査をしても、問題がない。または問題があったとしても症状がでるほどではない軽いヘルニアなど、はっきりと原因がわからないのです。

 

そこで、当院では原因がわからない痛みは『筋膜』の癒着により、姿勢の悪化・体の柔軟性が低下をする事で負担がかかり痛みが発生すると考え、筋膜に着目した整体法による施術を行っております。
筋膜は、レントゲンやMRIなどの検査では判断が出来ません。
そのため、ほとんどの場合見逃されているのです。

 

原因のわからない痛みやなかなか取れない症状はご相談ください。

 

そもそも筋膜って何?

人間は「骨」を支柱に周りに「筋肉」がつく事で体を動かす事が出来ます。
ただし、体の動かしたり姿勢を維持するには筋肉を包んでいる「筋膜」という組織が体の支えに必要になります。
筋膜はイメージだと鶏肉を薄皮の膜状に覆っている組織になります。

この膜は弾力性の高い組織で主にコラーゲンとエラスチンというたんぱく質で織られたガーゼの様な構造で、筋肉を包む膜、内臓や骨、血管や神経などあらゆる器官を包む膜、皮膚の下で全身を覆い包む膜などがあります。

 

体は筋膜により姿勢や形を保持し、正常に動く事が出来ます。
この筋膜(特に浅筋膜という筋膜)は全身をタイツの様に覆う役割があり姿勢・体の動きの柔軟性に大きく関わります。
筋膜は姿勢を維持するための強靭な組織ですが、仕事や生活習慣上、長時間の同じ姿勢でいる事や同じ様な動きをくり返す事が多いと筋膜の伸縮性が低下して筋膜の癒着が起こる。
癒着は筋膜同士や筋膜と脂肪、筋膜と筋肉がくっついた状態で体の柔軟性を低下させます。
例えば、足の筋膜が癒着をすると骨盤や腰が動きづらくなり、腰を曲げたりするのがつらくなります。
腕や指の筋膜が癒着をすると肩甲骨や首が回りにくくなり、振り向いたり腕を上げづらくなります。

 

それにより姿勢が悪くなったり関節の動きが悪くなる事で、負担がかかり頭痛・肩こり・腰痛・ひざの痛みなど様々な症状が起こるのです。
癒着解除

 

なぜ、筋膜の癒着が起こるの?

○長時間の同じ姿勢・体のクセ
○体の使い過ぎ
○運動不足
○疲労・睡眠不足
○加齢(ホルモンバランス)
○天候(気温・気圧・湿度)
○精神的ストレス

 

これらの影響により、筋膜の癒着が起こります。
例えば悪い事の代表といえば、パソコンの操作をする姿勢。
キーボードを打っていると常に手を下に向け、猫背であごがでて、前かがみになりがち。
すると、頭の重さが肩や首の後ろの筋肉に集中します。
肩甲骨は動きがなく土台となっている腰や骨盤も丸くなり同じ姿勢でいるために癒着が起こり体は悪い姿勢で固まります。

 

痛みや悪い姿勢は続くほど、状態が頭にインプットされていきます。
そうすると、悪い状態が普通となり良い状態に戻れなくなるのです。
筋膜の癒着が起こると姿勢を正そうとしても、一時的であってすぐに悪い姿勢に戻そうと体が働いてしまうのです。
そのためには、きちんと治療を受けて筋膜の癒着を解除して体を良い状態に戻していく必要があります。

 

特に現代の生活習慣では仕事中の姿勢やスマホ・パソコンをいじる姿勢、ソファに座る姿勢など筋膜の問題を起こす場面はたくさんあります。
また、オフィスワーカーでは職場に着けばデスクに直行しその日の業務が終わるまで、ほとんどの時間を座ったまま同じ姿勢で過ごすことが多いのではないでしょうか。
そのため、運動不足になっている方も多いと思います。
不調解消の第一歩として、自分の生活習慣や姿勢がどうなっているのかを理解し、日頃からリセットできる様にしておく事が大事になります。

 

筋膜の癒着が起こりやすいポイント

【顎周り】
人間は噛む動きをする咬筋という筋肉が発達していきます。
この噛む能力がストレスととても関係が深く、人間はストレスを受けると、歯を無意識に噛みしめたり歯ぎしりをする事があります。
噛みしめや歯ぎしりは、咬筋など咬む筋肉を緊張させて、肩や首の筋膜の癒着を作り頑固な肩こりの原因になります。

 

【肩甲骨の周り】
たくさんの筋膜が入り組んでいる肩甲骨まわり。
同じ姿勢をとっていると腕や肩はほとんど動かず、肩甲骨が外側に広がたっまま肋骨にベタッとくっつく様に固まりやすくなっています。
特に姿勢が悪いデスクワーカーや肉体労働で疲労が溜まっている方は筋膜の癒着が見られる。
また、呼吸が浅い方や精神的な緊張でも固くなります。

 

【胸、鎖骨周り】
背中を丸めた姿勢でいつも縮んでいるのは胸と鎖骨まわりの筋膜。
胸をすぼめ肩が内側に入るような姿勢で固まりやすくなっています。
特に細かい作業をする仕事で呼吸が浅い方や精神的な緊張が強いと癒着が起こる。

 

【腕】
パソコンを使う方の多くは腕を常に内側にしぼって使う事が多いと思います。
そのため、内側に絞った形で固まってしまうために手のひらが上を向けないほど固くなっている場合も多い。

 

【お腹・お尻】
体のバランスが悪い方に多く、年配で腰が丸くなりはじめている方は特に癒着がみられる。
腰が丸くなるとバランスが悪いので姿勢を正すために、無理をするのでお腹やお尻にグッと力が入るために、筋膜の癒着が起こりやすくなります。

 

【太もも、ふくらはぎ】
片足に重心をかけて立つクセのある方はバランスが悪く、片足が異常に張っている。
また、運動不足だと内ももの内転筋がとても弱くなりやすく、この場合は足の外側に重心がかかるため外側の張りが強く癒着が起こる。

 

 

筋膜整体とマッサージの違いは?

筋膜整体を受けて頂くと「あれ?普通のマッサージとは違うんですね」と言われることがあります。
実際に筋膜整体を受けて頂くと感覚的にマッサージとの違いがわかります。
それは施術の際、同じように触れている様でも触れ方に違いがあるからなのです。

 

筋膜図
上図は皮膚から筋肉までの体の断面図になります。

 

○表皮
  ↓
○真皮
  ↓
○皮下脂肪
  ↓
○浅筋膜筋膜の施術部位
  ↓
○皮下脂肪
  ↓
○深筋膜
  ↓
○筋外膜(筋上膜)マッサージの施術部位
  ↓
○筋肉マッサージの施術部位
・筋周膜 筋肉の中で繊維束を取り囲む
・筋内膜 筋肉の中で筋繊維を取り囲む

 

 

筋膜整体とマッサージでは施術でどこに意識をして触れているかが一番異なります。
筋膜整体は上図の浅筋膜に刺激を与え、マッサージは筋外膜を介して筋肉に刺激を加えます。

 

筋膜整体に重要な浅筋膜とは?

浅筋膜は癒着を起こす結合組織が豊富で断面図で見ると脂肪組織と結合しているのがわかると思います。
そのため浅筋膜と脂肪組織は塊の様に癒着が起こりやすく、それにより全身を覆っている浅筋膜が引っ張られるなど影響を受け姿勢が悪くなったり体の柔軟性の低下が起こります。

 

一方、筋肉は筋外膜という筋膜に覆われている。
しかし、筋外膜は筋膜整体で施術対象となる部位ではありません。
筋外膜も筋膜の異常である癒着を起こすものの役割が単に筋肉を包んで区画するだけであって、例え癒着が起こったとしても浅筋膜の様な全身的な繋がりがないため、姿勢や体の柔軟性への関わりが薄いのです。
そのため、マッサージによる刺激は一時的には筋肉がほぐれるものの、筋緊張が戻りやすい性質があるため、根本的な痛みやコリへの施術効果は薄いと当院では考えています。

 

 

まとめ

筋膜は色々な原因により、癒着という悪い状態になり、この癒着が原因となって痛みやコリなどの不調が体の現れてきます。
そのため、なるべく早い段階で酷くならないうちに施術を受けるのがおすすめになります。

 

従来、腰痛や肩こりにはマッサージというイメージを持っている方が大半でした。
しかし、マッサージを受けても治らない。良くなってもすぐに戻ってしまう。というお悩みの方も多くいらっしゃいました。
そのため、現在では色々な研究が進み筋膜についてもテレビや雑誌などのメディアで取り上げられるようになってきました。

 

しかし、筋膜整体を行っている院は少なく、まだまだ知られていません。
当院では、このホームページでは筋膜整体に関する情報を発信して、施術を受けるキッカケになればと思います。
ぜひ、興味のある方は当院で体感してみてください。

 

 

お問い合わせ

「西橋本パーム整体院」のホームページにお越し頂きありがとうございます。

 


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